[2004.08.05]
  航空力学私書


 ▼世界一おかしな鳥人間コンテスト『フルークターク』、今年も開催(WIRED NEWS)
  http://hotwired.goo.ne.jp/news/news/culture/story/20040804201.html


 航空力学とは,ぎゅっと胸の前で手を握りしめるほどに熱い,想像力によってつむぎ出された,学問である。

quote:自作の人力飛行機で飛行を試みるイベント,フルークターク(「飛行の日」の意)が行われた。優勝したのは12メートルを飛んだ「Xウイング」チーム。これまでの最長飛行距離は約59.5メートルだが,ほとんどの自作機は離陸直後に華々しい姿を空中で一瞬だけみせると,そのまま水面に落下する。

 ビルの屋上から飛び降りる人のほとんどは,空を飛ぼうと思っているわけでなく,死ぬことだけを考えている。もったいない。終わりたいだけなら,ほかにも方法はいくらでもある。空は,飛ぶために残しておくものだ。人は人生から目をそらしたいときに,空を見上げる。そして飛ぶ鳥をみて,思う。ああ,俺もあんなふうに自由になれたらいいのに,と。だが,そう思う人はおおむね気付いていない。自由であると云うことは,幸福ではあるがいつまでも満たされない。自由でないことを嘆くことと,満たされずに生き続けることは,どっちもどっちだと云うことを。

 寺山修司は,「飛行機は道具にすぎないが,飛ぶことは思想なのである」と述べた。飛行機で飛べる高さには限界がある,と云うより必要以上の高さは必要ない,だが,飛ぶことに限界はない。なによりも高く,遠く,飛ぶことができる。なにかを求めるために飛ぶのではない,ただ飛ぶことが,重要なのだ。訴える内容が正しいかどうかはどうでもいい,ただひたすら訴えること,その言葉を持つこと,行動すること,それが大事なのと同じだ。地べたを這いずり回るウェブを作るな,なによりも高く飛ぶウェブを作れ,特にブロガーたちよ。

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